現在日本は、国内の木材需要(建材、パルプなど)のうち、国産材でまかなっているのは18.2%に過ぎません。木材の8割以上を輸入に頼り、一方で国内の森林を放置して荒れ放題になっていることは、土砂崩れ、河川の氾濫など災害の原因になっています。

外国の木材を使うと、世界的な環境破壊につながる恐れがあります

国外からの木材の運送費は、エネルギーを必要とします。これらのエネルギーはもっぱら石油の燃焼によってまかなわれているわけですから、地球温暖化にとっては大きな問題となります。
また、安いものを買うという輸入の仕方が、発展途上の国の森林破壊を促進しているケースもあります。パルプなどの原料として熱帯雨林が大規模に伐採され、オラウータンを始めとする希少生物が絶滅の危機に瀕しています。途上国では森林の管理も不十分なので、違法な伐採も頻繁に行われています。

国産材は、病害虫にも強いのです。なぜかというと・・・

尾鷲 熊野古道センター

日本の木は、病害虫にも立ち向うための方策を持っています。 特に問題となるのは、菌や病害虫です。日本は湿潤な気候のため、カビ(腐朽菌)が発生しやすく、またシロアリなどの害虫もたくさんいます。これらに対処するため、木は独自の対策を行ない、身を守っています。それが防腐・防虫成分です。スギの木を伐ると、周辺は白いのですが、中心に行くに従って赤みを帯びているのがわかります。この赤みは、カビの発生を妨げ、またシロアリを遠ざける性質を持っている物質なのです。
またヒバの芳香は、ヒノキチオールという、特に防腐・防虫効果を持った物質の匂いであることはよく知られています。ヒノキ、ヒバ、イスノキなどはこのような物質のおかげで、害虫や腐朽菌に対して非常に強く、土台などに使うにはもってこいです。このように、日本で育った木には、日本の環境に特有の病害虫に対する防御策が備わっているのです。
それに比較して、海外から輸入した木には、このような特性が備わっていません。育った環境が異なるからです。森林総合研究所では、シロアリの巣にスギ心材とホワイトウッドを投入して比較した実験を行っています。それによると、ホワイトウッドは一ヶ月でほとんど形をとどめないほどになってしまいますが、スギはほとんど被害を受けていません。

日本の木だからこそ、昔からの建築技術が生かされる

日本の大工さんは、どのような木をどのような用途に用いるか、昔からの智恵が蓄えられています。湿り気が多いところには何を使うか、重さがかかるところは何か、すり減りやすいところには何か、さらに長い年月の間にどう変化していくか、まさしく「適材適所」の家造りができるわけです。外国から近年になって輸入された木材では、このようなことがわからないのです。

南木曽木材産業「木の道」

参考資料:日本の木で家を建てよう 菅野知之著 春秋社

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