木の基礎知識

「心材」と「辺材」とは

木は外側だけが生きていて、中はいわば死骸です。しかしその中の部分にしっかりした繊維質が詰まっているために、数百年以上生き続け、高さ数十メートル、重さ何十トンとなる体を支えることができます。真ん中の方(「未成熟材」と呼ばれる中心から10~15の年輪の部分)は若い時に形成された部分で、木質繊維の長さが短く、柔らかいため強度は一般に弱くなります。その周囲に、繊維が長くなり、また耐朽性(腐朽菌やカビに対抗する能力)のある成分がたくさんふくまれる「心材」があり、その外が「辺材」と呼ばれる白色の部分となります

南木曽木材産業 本社にて

大切なのは、「表皮のすぐ下の部分」

木の生長にとって重要なのは表皮のすぐ下の部分で、ここが常に成長して外側に太りながら、栄養分を木全体に回す役割も担っています。ですから表皮を広く傷つけると木は死んでしまいます(シカは表皮を食べてしまうため、森に大きなダメージを与えます)。また、表皮についた傷から、内部の木質に腐朽菌が侵入すると、「くされ」となります。こうなっても木は普通に生き続けますが、材木としてはこの部分は使えません。枝打ちや間伐(抜き切り)などの際に表皮に不用意に傷を付けると、「くされ」を引き起こしやすくなります。

南木曽木材産業 本社にて

若い時苦労した木は強い

木は厳しい環境で少しずつ育つと年輪幅が狭く、丈夫で重い材になります。陽当たりがよく、土地が肥えているとすぐに大きくなりますが、年輪幅が広く、軽いけれども強度は小さい材になります。育ちが早い木が常に材木としていいわけではなく、肥料をやって早く育てると軽くて弱い木になってしまいます。よく「若い時苦労した木は強い」と言いますが、年輪の中心はもともと弱いので、若い時代に厳しい環境で過ごし、中心が密な木は、全体として強いということです。ただし、九州の飫肥スギのように、船に用いる軽い材に使用するために、年輪幅が広くなるよう、樹間を開いて陽をたくさんあてながら育てる場合もあります。

「節」について

木によっては、斜面に生えたり、雪で曲がったりした場合に「あて材」と呼ばれる材が生じやすく、ここは狂いが出やすいので敬遠されます。
木の先端でないところから枝が出ると、「節」ができます。枝と幹がともに生きながら太っていくと、木質繊維がつながった「生き節」になりますが、死んだ枝を巻き込むように幹が太ると「死に節」となり、板にした時に節穴ができます。「枝打ち」をして枝を取り去り、その上に通常に幹が形成されると「隠れ節」となって節が見えなくなります。

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